今の時期は学校では卒業に向けての準備が行われ、保護者の方々も春からの新しい生活のための準備などで忙しいのではないでしょうか。

私たちの世代には考えらない事ですが、最近は小中学校の卒業記念にCDやDVDを製作するのが一般的になっているようです。

先日あるお客さんから、中学生の息子さんが卒業するにあたりテニス部での思い出を綴ったCDを製作したいという相談がありました。試合で撮影したビデオや写真、合宿での思い出の一コマなどをお気に入りの音楽をバックに流していくといったものを作りたいとの事でした。

こういったものを作る場合、注意しなければならないのは著作権です。
自分で撮影した動画や写真はその撮影者に著作権が発生しますのでそれを作品に使う事は何の問題もありません。
一方で音楽については、その曲をどこから持ってくるかという事が問題になります。

音楽にしろ文章にしろ、あるいはソフトウェアでもそうですが、人が創作したものは著作権があります。
なのでこれを権利者に無断で何らかの作品に転用するのは著作権の侵害行為にあたります。

今回、仕事の依頼があった事をきっかけに調べてみたのですが、その記念DVDを販売するかしないか、つまりそれによって利益を得るかどうかに関係なく、他の作品でその音楽を使用する場合は使用料を支払う必要があるようです。

つまりCDから録音したものでなく、自分たちで演奏した音楽を使うのであれば著作権料だけが発生しますし、音源として市販のCDなどを使う場合には著作権とは別に音源使用料というものも別途必要になります。
著作権料は、その作品の製作者に対して支払うもの、また音源使用料はそのCDなどの製作会社に対して支払います。

金額に関しては、著作権については 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理、また音源使用料についてはCD製作会社が独自で設定しています。

ネットの情報ですと、今回の場合のように営利目的でなく数十枚程度作るのであれば著作権料は数十円程度、音源使用料は数万円程度(曲によって異なる)のようです。

実際にはこういった料金支払いの手続きをせずに無断で使用している場合も多いものと思われますが、規則は規則として守るべきでしょう。
特にそれが小中学校の児童・生徒用のものならなおさらです。

お子さんがいる家庭でしたらこういった作品の製作に関与する機会があるかもしれませんが、この記事が何かの参考になれば幸いです。