今からもう20年程前の事です。
東南アジア方面に旅行に行った帰りの飛行機で同席した女性から直接聞いた話なのですが、今でもその時の事は鮮明に覚えています。
話の概要はこうです。

その人は成田市内の空港からほど近い場所に住んでいる。
その日、やはり海外旅行の帰りに空港のタクシー乗り場からタクシーに乗った。
運転手に行き先を告げると、その運転手は急に不機嫌になり、ふてくされたような態度に変わった。
自分も、一緒に行った家族も二人とも大きなスーツケーツを持っていたが、それをトランクに入れるのを手伝ってもくれなかった。
ちなみに成田空港では、長距離利用客を狙って長いタクシーの列に並ぶ一発勝負的なドライバーが多いという。

このドライバーがその後どうなったかは知る術もありませんが、恐らく仕事で成功する事はなかったのではないかと推測されます。
なぜなら、その時のベストを尽くしていないからです。
逆に言えば、どんな状況であれその時の全力を尽くす という気持ちで仕事をしていなかったから近距離の客に当たったとも言えるのではいでしょうか。

近距離だから雑に対応する、遠距離だから丁寧に扱うというのではプロの仕事とは言えません。
私自身は、それがたとえどんな条件だったとしても、その時に自分が持っている技術や能力を最大限つかってお客様に喜んでもらおうと努力する人にチャンスがやってくるんだと思って仕事をしています。