こんにちは。
私はパソコンサポートの業務を長く行っています。
日々様々な相談・依頼がある中で、インターネットをつないで欲しい、またはインターネットがつながらないというのがやはり最も多い案件です。

私が実際に過去に対応した "インターネットがつながらない" 原因とその対策を解説します。

・プロバイダ関連
プロバイダと契約したが接続設定をしていない。
パソコンでインターネットを利用するには回線(フレッツ光、Nuro光など)及びプロバイダ(ニフティー、朝日ネットなど)の契約が必要です。
スマートフォンやタブレット型端末では買ってくればそのままネットがつながりますが、これはあらかじめプロバイダと接続するために必要な情報が書き込まれたカードを搭載しているからですが、一般的にパソコンではそういった機能はないので、プロバイダから指定されたアカウント情報をルーターなどの通信機器に設定する必要があります。

プロバイダと契約したが料金未払いで止められている
突然インターネットにつながらなくなったとの相談がありお客様先へ訪問して状況を確認すると、ルーター機器のPPPランプが点滅しています。(PPPランプはプロバイダと正常に接続している場合は緑の点灯)
さらに調べてみると、料金未払いでアカウントが凍結されている事が判明しました。
お客様に勘違いがあり、クレジットカードの切り替えの際に更新を忘れたようです。

・回線・通信機器関連

無線LANの電波が届いていない状態で接続しようとしている
以前にも利用していただき、一度インターネットの接続をした事がある女性のお客様から、ネットがつながらないとの連絡。
聞いてみると、NTTから電話があり、便利だからと勧められて無線LANに切り替えたという事でした。
このお客様は実家から車で5分程度の公営住宅に住んでいて、無線と聞いて現在の住まいと実家の両方でインターネットが使えると考えていたようで、実家でやってみてもつながらなかったとの話でした。
無線LANは微弱な電波を使って通信するため、基本的に同じ室内で障害物がない状態で使用するものです。
数100m〜数Km離れた場所まで電波は届きません。

LANケーブルの損傷
法人のお客様より連絡を受けて訪問しました。
ネットワークで使用している業務システムが動作しなくなったとの事で調べてみると、LANケーブルにネズミがかじったと思われる断線が見つかりました。
同様に椅子で踏んだために内部で断線してしまったという事例もありました。
ケーブルを交換する事で復旧し事なきを得ました。

・セキュリティ関連
セキュリティーソフトの影響で接続が切断されている
セキュリティーソフト(ウィルス対策)の機能の中のファイアーウォールなどの設定によってはインターネットがつながらない原因になる場合があります。
ちなみに、1台のパソコンにセキュリティーソフトを2種類以上インストールするとPCのパフォーマンスが大きく低下する事がありますのでご注意下さい。

・パソコン本体の原因

LAN端子が故障している
LANケーブルを差し込むLAN端子はパソコンのマザーボード上にある部品ですが、電子機器である以上故障する場合があります。
LAN端子が故障すると背面部分のランプが点灯しなくなる場合があります。

LAN端子のドライバーがインストールされていない
パソコンの部品を動作させるにはデバイスドライバーと呼ばれる機器を制御するためのソフトウェアが必要ですが、何らかの原因でそれが動作しない状態になる場合があります。
そうなるとインターネットはつながりません。

無線子機のスイッチがOFFになっている
ノートパソコンには多くの機種で無線LANの子機が内臓されていますが、その子機のスイッチがOFFになっていると接続する事ができません。
機種によってはキーボードのCTRL+Fキーを同時に押す事で切り替えるようになっていますが、無意識にキーに触れてしまい無線LANが無効になっている事があります。

TCP/IPの設定が誤っている
これはかなり専門的な内容となりますが、できる限り分かりやすく説明します。
パソコンのネットワークでは、TCP/IPと呼ばれる通信規約(プロトコル)を使用します。
プロトコルとは機器同士が通信を行う際に使われるルールで、例えば 送り側が "これから20バイト分の情報を送ります" という信号を相手に送り、受け側が "了解" という信号を返す といった要領です。
TCP/IPでは、ネットワーク上のパソコンをIPアドレスという番号で管理していて、この番号をあらかじめ固定で割り振っておく場合と接続時に割り振られる変動の2つの方法がありますが、いずれの場合もこれがルーターの設定と合っていない場合は接続できません。