パソコンサポート業者としてこれまで2,500件を超えるお客様に対応してきました。
依頼内容は機器の設置からソフトウェア開発まで多岐に渡っていますが、その中でもやはりインターネット関連が圧倒的に多くを占めています。


そういった状況で私が気になっている事があります。
それは、多くの方がコンピュータウィルスなどの "ネット関連トラブル" を必要以上に恐れてしまっているという事です。


実際、私が依頼される案件も "ネット関連トラブル"は少なくありません。
アドウェアなど意図しない不正なソフトウェアがインストールされてしまったという事例はよくあります。
最近特に多いのが、あたかもそのパソコンに重大な問題が発生してしまっているかのような文言を画面上に出して利用者に誤認を与えるというものです。
そしてその業者が提供するソフトウェアを購入すればその"重大な問題"が解決するかのようなメッセージを表示させて金銭の支払いを促します。
さらにはワンクリック詐欺と呼ばれるトラブルも相談が増えています。


これらのトラブルが自分のパソコン上で発生するのは確かに厄介です。
ただ、だからといってそれを恐れるあまり過剰にセキィリティ対策を行う事もお勧めできません。
最近のセキュリティ製品は高性能ですが、その一方でそれだけパソコンにかかる負荷も大きくなります。
処理速度を犠牲にしてセキュリティを設定するのは、極端に言えば散歩に行くのに途中で襲われるかもしれないからと金属の鎧を身につけるようなものです。
確かにそのように事前に護身用の装備すればいざという時に役に立ちます。
しかし一方でそう頻繁には起こらない事を危険視するあまり身軽さを犠牲にしています。


パソコンの場合、仮にウィルスに感染した場合でも機器が壊れる訳ではありません。
OS(基本ソフト)に悪意を持って作られた不正なソフトが侵入した場合でも、データさえバックアップをとってあればリカバリーという操作で復旧する事ができます。


確かにある程度面倒な作業ですし、パソコンにそれほど詳しくない方なら負担に感じるかもしれません。
しかし、私からすればそれによってせっかくのパソコンの性能を犠牲にするマイナスの方が大きく感じます。
仮にそうなった場合でも、それは学ぶきっかけになったと考える事もできます。
トラブルを恐れず、便利なパソコンを積極的に使っていきましょう。