先日、とある企業が破産宣告を受けた事を報道で知った。
そこは以前取引のあった企業で、具体的には私が仕事を頂いていた会社だった。
報道を聞いて、さもありなんという印象を受けた。
なぜなら、取引があった時から、私の常識では考えられない、あまりにお粗末なやり方をしていたからだ。

ある日の午前。
私は指示を受けてある得意先の事務所を訪問しようとしていた。
そこに設置されているパソコンのメンテナンス作業をその企業から依頼されたのだ。
作業を開始する前に、その旨を依頼元に電話連絡する事になっていたため、私は指定された番号に電話をかけた。

相手:はい、○○(企業名)です。

私:おはようございます。後閑といいます。これから加藤商事様の作業を開始します。

相手:え、何さんですか?

私:本日加藤商事様の作業を行う後閑です。

相手:ん?サトウ様ですか?

私:サトウではなく、訪問先が加藤商事さまです。

(会話はさらに続く)

驚くなかれ、その組織は業務開始報告を入れる旨の指示をしておきながら、それを受ける担当の人物に何も話が通っていないのである。
こういった状況になる事自体、私にとって全く信じがたい事だった。
本日の作業予定一覧表を作成し、それを電話の前においておけば、誰が電話を取ってもこんなお粗末な対応にはならないはずだ。
それをやるのが当たり前である。
ところが、その企業はその当たり前の事をしていなかった。
結果、破産に至った。

当たり前の事を当たり前に行う。
これができていない組織は未来がない。
どんな時でも基本に忠実に仕事をしたいものだと思う。