以前、別の記事で消火器の点検商法がやってきた話を書いたが、それ以外でも古典的とも言えるような詐欺まがい商法が未だに行われているようだ。

実名を出すのは問題があるかもしれないので仮にZKR社としよう。
ZKR社は荷物の配送で独立したい人を支援するといううたい文句で会員を募集している。
国内のかなり広範囲に営業拠点を持っていて、各地で頻繁に説明会を行っている。
私の住む都市でも、ご丁寧に市民プラザという比較的南にある施設と文化会館という比較的北にある施設の両方で説明会が開催されるようだ。

同社のウェブサイトなどによると、この会社の会員になって独立を希望する場合、最初に契約金として52万円余りを支払い、それとは別に自分の軽トラックを用意する。
そして、会員は同社が開拓した荷主と直接契約をする事になるようだ。
その上で会員は会員であり続ける限り毎月ZKR社に会費として16,000円を納入する。

ネット上の情報だが、この会社に契約金を支払ったものの、事前に聞かされていた月40万円程度は稼げるという内容とは程遠いわずかな金額にしかならないという事例が多いだけでなく、同社が斡旋した荷主と契約する事さえできなかったという事例さえ珍しくないようだ。

実はこの会社、誇大広告をしたという事実で一部の都道府県において活動停止の命令が下されている。
同一の企業でありながら、この県では活動停止・別の県では活動できるというのも日本の行政の不備だと思うが、それはともかく、こんなインチキ商法に引っかかってしまうようでは情けない。

何の業界であれ、その市場規模は限られており、無限大ではありえない。
荷物の運送業界の市場規模がいくらかは判らないが、その市場が爆発的に伸びているならまだしも、すでに成熟期となっている業界に次々と参入したところで、いきなり条件のよい顧客を獲得できるはずがない。

そもそも配送に使う車両を軽に限定している事自体が不自然である。
より多くの金額を稼ぐなら軽トラックよりも2トン、4トンといった大型の車両の方が効率がいいはずであり、それを軽に限定するという事は、初期投資が低く抑えられて勧誘しやすいという業者側の都合に他ならない。

別の記事で書いたドロップシッピング商法も同様だが、こういった内職商法にダマされてしまう人に共通するのは、自分に利益をもたらしてくれる"お客様" の獲得を第三者まかせにしているという事だろう。
いかに集客するか、いかによい条件の仕事を獲得するかがビジネスの根幹である。
それを他人任せにするというのはまさにサラリーマン的な発想であり、他社に仕事を斡旋してもらうという形態は事実上自営業とは呼ばないと思う。

50万円以上の契約金を支払うくらいなら、その資金を使って独自の荷主を開拓する方が将来的にもずっと有効だろう。
自分の頭で考え、自分の足で行動するのが営業であり、これを自分でやるから自営業なのだ。
この重要なポイントを抜きにしてビジネスの成功はあり得ない。