私はこれまで数社に勤務した経験がある。
そして今になって、それらの企業に共通点がある事に気づいた。
その共通点とは、
・コンピュータ業界である
・当時の社長が事実上一人で創業
・ピーク時の社員数が20〜40人程
・一時期、前年度の数字から一気に倍になるような売上の伸びを経験している
・しかし現在では存在しないか、業務を大幅に縮小して数人規模の企業になっている

いずれの企業も一時的に大きく売上を伸ばしていながら、現在では解散もしくはそれに近い状況となっている。
現在では私自身が過去仕えてきた社長と同じような立場になった訳で、同じ轍を踏まないように彼らの失敗から多くの事を学ぶ事ができると思っている。

○私が分析する、急成長した理由
上記の3社はいずれも、過去の一時期業績の急成長を経験している。
これは、いくつか理由があるはずだが、その最大の要因は時代の流れに乗ったという事だと思う。
時代の流れはある意味津波のようなもので、好むか好まざるかにかかわらず、あるいは上手でも下手でもその中にいさえすればそれに乗って進んでいく事ができる。
特にコンピュータ業界は歴史の浅い産業であり、現在のビジネス効率を大幅に改善するとか、人手を大幅に削減する事ができるといったサービスに対して短期間で大きな重要が生まれる事は多い。
これはもちろんその経営者の手腕が反映された結果ではあるのだが、運とかラッキーという要素もかなり大きいはずで、好調な業績が自分の能力や経営センスのみから生み出されたと勘違いしてしまう経営者もいるはずだ。

○私が分析する、組織の解散またはそれに準じる結果になった理由
業績の急伸を経験しながら、その後企業を維持できない程の業績悪化に陥った要因は3人3様だ。
・女に走った
人はビジネスがうまくいって大きな所得を手に入れるようになったり、周囲から高く評価される結果をだしたりすると、自分が偉くなったように感じるのか、はたまた自分は他の凡人とは異なる特別扱いをされるべきだと勘違いしてしまうのか分からないが、社会通念上許されない行為をしてしまう人がいる。
人気の高い芸能人が薬物をやったりするのはまさにその典型的な例だが、私が勤務した経験のある企業の経営者もこのパターンで自滅した。
この人物も常識のある側近がいたはずだが、業績が伸びるに従ってそういった人たちの意見を聞く事も無くなっていったのだろう。
・企業規模に見合わない投資
これも急成長した企業が陥り易いワナだと思う。
手掛けてきたプロジェクトがどれもある程度の成功を収めていく中で自社の実力を過信し、規模に見合わない大きな金額を投資してしまう。
この企業はその後、その投資を回収すべくその分野の相場を大きく超える価格設定を行い、顧客からソッポを向かれるという結果を招いた。
また、別の社長はかなり無理をして自社ビルを新築したが、その支払いのために社員に無理なノルマ設定をするなどした結果、社員もビルも両方を失う事になった。
いずれの経営者も自社の経営理念や自分の使命を見誤り、売上最優先の経営に走ったり見栄をはったために堅実さを失ってしまった事が大きな失敗につながっている。