事業を行う上で、特に商品やサービスを販売するための店舗を持つなら立地が大切だと一般的には言われます。
実際、人がほとんど住んでいないような山奥では集客にも苦労するでしょうからこの考え方はある程度は正しいはずです。
商品やサービスを購入するのは人であり、野生動物に物を売る事はできません。

しかし、この"立地"というのはあくまでその企業や店の一つの属性でしかない事を忘れてはいけません。
この"一つの属性でしかない"事を過剰に評価してしまうと失敗します。

私の住んでいるエリアに魚屋があるのですが、その店は交通量の多い県道からから1本奥に入った、住民くらいしか通らない生活道路に面した場所にあります。
看板すら出していません。

駐車場も舗装されておらず、さらには枠線すらないので、店の脇の空いている場所に車を止めて買い物をします。
売り場面積は6畳間(3坪)?くらいで、品数も近くのスーパーの魚売り場と比べても1/10もありません。

店の繁盛はその立地が大きな要素を占めるという事が事実であれば、この魚屋に来店するのは自動車にも自転車にも乗れない、近所に住んでいる高齢の人などだけのはずです。

しかし実際には私も含めて多くの人が、品揃えが豊富で車の出入りもしやすいスーパーではなく、あえてこちらの店を選んでいます。それはなぜでしょうか?
その理由は簡単です。
そのお店に魅力があるからです。
店の主人が経験と腕で仕入れた鮮度の良い刺身を手ごろな価格で販売しているのが最大の魅力であり、これを目当てにかなりの遠方からもお客さんが来ているようです。

そもそも立地が良い、すなわち人通りの多い通りに面した場所なら成功する可能性が高いのであれば、イオンやけやきウォーク、スマーク伊勢崎といったショッピングモールに入っている店が撤退を余儀なくされる事などあり得ないはずです。

私の事務所から数分の場所にあるスマーク伊勢崎は食事をする事も多く、比較的多く訪れます。
正確な数値は調べていませんが、このモールが開店して2年経過していない現時点で、私が知る限り少なくとも20店舗以上が撤退しています。
また、表面上撤退していなくても、開店時から運営企業が変わっている店舗もあるみたいです。

さらには閉店こそしていないものの、赤字の連続で青息吐息のショップも相当数ありそうです。
そして、これらのお店に共通しているのは、"顧客から見て魅力がない" という事です。

店の魅力とは、すなわち人の魅力ではないかと思います。
つまり"魅力ある人"になる、これが商売の極意であり、逆に言えばそれ以外に商売を発展させる方法はないのだろうと思っています。