その日は朝から携帯電話が鳴った。
時々利用していただいている法人のお客様からだった。
普段使っているPCからプリンタへの印刷ができなくなったので見て欲しいという。
数日後に訪問する約束をして電話を切った。

こちらのお客様はネットワーク(LAN)内にPCが9台つながっている環境であり、プリンタも全てそのLANに接続されている。
なので印刷できなくなったのであれば、ネットワークに何らかの問題が生じている可能性がある。

数日後、約束の時間に訪問した。
担当の方に挨拶を済ませると、早速問題のPCを確認してみた。

まずはネットワークが正常かどうか。
これはWINDOWSのマイネットワークを開いてみれば問題が生じているかどうかは判断できるが、もっと簡単な方法がある。
ブラウザを起動してみれば良い。
ブラウザの画面にウェブサイトが正常に表示されれば、少なくともPC〜ルーター間及びルーターから先(WAN)は正常であると判断される。

という事で、まずはブラウザを起動させる。
数秒後、開いたウィンドウの中にはトップページとして設定されているポータルサイトは表示されず。
この段階でこのPCからルーターまでの間に何らかの問題がある事がほぼ確実となった。

次にやるべき事はPCのネットワーク情報の確認。
WINDOWSパソコンのIPアドレスやゲートウェイ(つまりルーターに割り当てられているアドレス)を画面に表示させるコマンドが "ipconfig"
スタート→アクセサリ→コマンドプロンプトで >ipconfig と打ち込むとネットワーク関連の情報が黒画面の中に表示される。
結果は media disconnected.

この場合のメディアとは恐らくLANポート(ケーブルの差し込み口)を示しているのであろうが、つまりこのメッセージは現在このPCのLANポートには何の信号も来ていませんよという意味。
以上の状況から、今回のトラブルはケーブルやハブなどの物理的な原因であると推測した。

可能性としては、
PC側LANポートの故障
ケーブルの断線やコネクタ部分の破損
ハブ本体の故障や電源系統のトラブル
などが考えられる。
但し、このPC以外は正常にネットワークに接続されているのからハブは正常と判断される。
となると、最も可能性が高いのはケーブルのトラブルである。

私はLANケーブルの様子を確認すべく、問題のPCの裏から出ているケーブルを追って行った。
すると間もなく、机の脇の影になっている箇所に異常を発見。

ケーブルの被膜が破れてしまっていて内部のワイヤーがむき出しになっている場所がある。
よく見てみるとどうやらネズミがかじった跡のようだ。
という事で持参したLANケーブルを交換して無事作業終了。

ネズミは電子機器の大敵なので、パソコンを安定して動作させるには小動物の駆除も必要だという教訓を得た案件だった。