先日、ある法人のお客様S社からパソコンの注文を受けて納品・設置・設定作業を行った。
その際、併せて現在利用中の通信費をチェックして、無駄がないかの診断も依頼された。

S社はこれまで別の業者を利用されていたのだが、その方が健康上の理由で休業状態となってしまったため、後任として私に依頼されたのだ。
S社は建設会社であり事務所でフレッツ光を利用、また自社のサイトを運営するためレンタルサーバーとも契約している。

お客様立会いの元、現在支払っている引き落としの金額やその内容を1点ずつ確認しながらチェックを進めていくと、不審な契約が2点発見された。
1点はプロバイダのぷららのものだが、通常のプロバイダ契約にしてはかなりの高額だ。
恐らくレンタルサーバーなどがセットになっている法人向けの契約だと推測されるが、お客様自身が契約書を保管しておらず、詳細は問い合わせて確認するしかない状態だった。
そしてもう1点は現在S社のサイトを公開するために使用しているレンタルサーバーの契約。
なんと毎月5,700円が引き落とされていた。
これはレンタルサーバーの利用料金としては本来あり得ない程の高額である。

レンタルサーバーは機器(ハードウェア)の性能や回線の太さ(速度)によって利用料金が変わってくるが、非常に人気が高い商品を販売しているなど特にアクセスが集中する事が予想されるといった事情がなければ年間1万円程で済む。
にも関わらず、今回は元々評判が良くない業者の、さらに最高グレードのプランが契約されていた。

これは、前任者がS社にとって必要ない申し込みを勝手に行った事を意味する。
ではなぜそんな事を行ったのかといえば、ズバリ、アフィリエイトなどの報酬を得るためだったと推測される。

お客様の知識の乏しい事につけこんで報酬を稼ぎ、その結果顧客に損害を与えるなど、プロとしてビジネスを行うものなら絶対にやってはいけない悪質な行為である。
私が上記の事情であると推測される旨を説明すると、お客様は信じていた人に裏切られたと感じたようでガッカリした様子だった。

自分の知識や能力を悪用する事くらい恥ずべき行為はないと私は思っている。
この前任者はS社だけでなく、当然他でも同じような被害に会っている顧客がいるはずだ。
過去にパソコンのサポートや回線の手配などを安中市のK氏に注文した経験のある方は、現在の契約に問題がないかの診断を信頼できる専門業者に依頼する事をお勧めしたい。

S社は概算で70万円前後の損失になってしまったが、さらに大きな額の被害が生じてしまっている可能性も否定できない。
同業者としてこういった業者が存在する事が残念でしかたない。