パソコンを操作する際、キーボードを見ないで文字を入力する事をタッチタイピングと呼んでいます。
以前は別の名前で呼ばれていましたが、視覚障害者に対する差別的な意味を含むのではないかとの指摘から現在ではこの名前が使われています。

それは、私がこの業界に入ったばかりの頃でした。
入社した会社はデータ入力を請け負っていたり、企業のコンピュータの運用を受託するなどの業務を行っていました。
最近ではほとんど聞かなくなりましたが、当時はキーパンチャーと呼ばれる女性たちが活躍していた時代。
そのビルの2階にあったパンチ室で、女性たちが顧客から預かった手書きのコンピュータプログラムや名簿などをコンピュータに打ち込んでいました。

研修期間として会社内を案内されていた時、2階に上がる途中で何か駅の雑踏のような騒がしい音が聞こえてきました。
数十人の女性たちが一斉にタッチタイピングでキーボードを叩く音だったのですが、その様子を見せてもらった時、世の中にはすごい技術を持った人がいるものだと感心した事を思い出します。

タッチタイピングはとりたてて難しいものではなく、練習すれば誰でも覚えられます。

基本は2つ。

1つはホームポジション。
これは標準で指を置いておく位置の事で、左手の人差し指を F キー、右手の人差し指を J キーに置き、残りの3本はその隣から外側に向かっておいて行きます。
基準となる F と J には、目印となる突起などがついていますよね。

次が、指が担当するキー。
そのそれぞれの指が担当するキーが決まっていて、各キーはその担当する指以外ではタッチしない。

というのが基本です。

パソコンに文字を入力する場合、画面だけを見て打つのと、キーボードと画面を交互に見ながら打つのでは当然効率が違いますのでこれができるに越した事はありません。

しかし、この基本にこだわらなくても常にキーボードに触れていれば自然に覚えていくものなので、上達したいと思うのでしたらとにかく文字を打ってみる事です。

常にキーボードで文字を入力していれば、自然と指が覚えてくるものです。

私は以前、障害者支援の団体に加入していた事があります。
そこでは、視覚、聴覚、肢体などさまざまな障害を持った人たちがいるので会議の方法も工夫されていました。
その団体では、総会などの大きな会議の際にはパソコン要約筆記というのを採用していました。
これは、聴覚障害者のために行うのですが、パソコンの画面を前方のスクリーンに映し出し、司会者や発言者が話した内容を担当者が要約しながらパソコンに打ち込むと、その文字がスクリーンに表示されるというものです。

これは1チーム2人で行います。
一人が要約しながら入力し、もう一人がその間違いを修正して表示させるという素晴らしい技術でした。
参加者として見ていると、ほぼ人が話すスピードで文字が表示されていきます。
私もそれなりの速度でキー入力をしていますが、あの人たちの技術にはまだまだ遠く及びません。

短期間でタッチタイピングをマスターしたいという人のためにこんな教材もありますのでご参考まで。

1日わずか10分、一週間でタッチタイピングをマスターした方法
http://lifeisfun.livedoor.biz/touch.html