久しぶりの更新です。
読者の皆様、9月に入っても残暑が厳しいこの季節、いかがお過ごしでしょうか?
この記事では、最近依頼のあった事例をご紹介したいと思います。

70代男性の方から、インターネットを使えるようにして欲しいとの依頼を頂きました。
共通の知人を通しての紹介です。
最初の電話の時は状況が分からなかったのですが、お客様先を訪れて詳しい話を聞いて愕然としました。

NTTの代理店から、特典としてパソコンを差し上げるのでフレッツ光を引きませんかとの電話勧誘を受けたので了解したとのお話で、しばらくしてこれが送られてきたというそのパソコンは、海外メーカーの推定10年落ちくらいのシロモノでした。
ディスプレイは14インチ程の小さなもので、ベゼル部分は色が褪せており、付着したタバコのヤニを大まかにふき取った形跡がくっきりと残っていました。
キーボードやマウスは他社メーカーのものでした。
前の持ち主が買い替えか何かで処分した物であろう事は容易に想像できました。

ITに疎い高齢者を騙してこんなゴミ同然の物をあたかも価値が高い品物であるかのように送りつけるとは、はっきり悪徳商法と断定します。

数か月前もこれに似た案件がありました。
パソコンが突然無線につながらなくなったので見て欲しいとの依頼を受けて訪問した所、当該機種は企業向けのノートパソコンであり恐らくはリース上がりのもので、お客様の話によると、やはり電話勧誘でパソコンをプレゼントするとの事でフレッツ光を申し込んだとの事でした。
私の診断の結果はマザーボード故障で修理不能というものでした。

一般に企業向けパソコンは家庭向けのそれに比べて酷使されており、同じ使用期間であっても相当に劣化していると考えるのが普通です。
このお客様を勧誘した会社も当然それを承知で、ただ同然で手に入れたパソコンを保証も付けずに渡しているはずです。

この"中古パソコン"を景品に付けてフレッツ光回線の加入を促す という手法は実は代理店の間では一般的に行われており、それら全てが悪徳商法という事ではありません。

ただ、今回の事例のような、"リカバリーディスクが付属していない(一般利用者がリカバリーする事が事実上不可能)"、"市場価値がほとんどない廃棄物同然のモノ"、"短期間で壊れるなど正常に使用できない事が事前に十分予測できているモノ"などを景品として渡している場合はそれは悪質な企業である事に疑いの余地はありません。

彼らは他社の製品やサービスを販売して手数料を得ています。
一度契約が成立して手数料が入金されてしまえば、その後、その客がどんな状況になろうがその時には自社と縁が切れているので関知しないというのがレベルの低い代理店の手法です。

くれぐれもこんなのに引っかからないようにして下さい。