ITコンサルタント オフィスハピネス

1999年からIT・パソコン機器の技術支援事業を行っています。 2023年で創業から24年を迎えます。 これまで10,000件以上の案件に対応してきました。 群馬県、埼玉県、栃木県なら訪問でのサポートを、それ以外はオンラインや遠隔操作にて問題解決しています。

2012年04月

群馬県でパソコン技術支援を行っている業者です。

個人及び20人以下の規模の企業・法人様を対象としてサービスを提供しています。

コンピュータ機器の導入・入替作業・修理やトラブル解決などが得意です。。

連絡先

TEL 0270-24-6253

携帯 090-8490-5606

後閑克己

Youtubeで動画を公開しています。

a disk read error occurred の意外な原因

最近の依頼案件をご紹介します。

自宅のデスクトップ型パソコンが起動しなくなったので見て欲しいとの連絡を受けました。
数日後、約束の時間にお客様先を訪問しました。

早速パソコンの状況を確認。
電源投入後、"a disk read error occurred" というメッセージが表示され、それ以上先に進みません。
私の過去の経験では、このメッセージはHDDのセクターエラーなどドライブ自体に問題が発生した場合に表示されます。
ただ、問題といってもHDDの領域全体が破壊されている場合はほとんどなく、多くの場合はWINDOWSの起動に必要なファイルが破損しているだけです。

このお客様は地域の集まりや公的組織などいくつかの団体に所属しており、その会議の資料や報告書などをこのパソコンを使用して作っているためHDD内には失いたくない文書ファイルなどが多数入っているとの事でした。
こういった場合、このパソコンのケースを開けてHDDを直接他のパソコンとケーブルでつなぐ事でファイルを取り出す事ができます。
ただこの日はその道具を持参していなかったため、一度本体を預かって事務所で作業する事にしました。
事務所で上記の作業をした結果、お客様の希望するファイル全てをフラッシュメモリに取りだす事ができました。
そのメモリをその日のうちにお客様先に届けられたため、資料の準備が期限までに間に合ったようです。

問題はさらに続きます。
このパソコンの修理です。

冒頭に書いた通り、起動しない原因がHDDの障害であるとの見解から、新しいHDD調達して交換し、リカバリーを試みました。
しかし、光学ドライブから起動できません。
画面には"HDDが無い"という意味の見慣れないメッセージが表示されます。
メーカーに確認しても、リカバリーの方法は間違っていません。
念のためBIOSの画面を見ると、HDDも光学ドライブも両方正常に認識されています。
ではなぜ?

こういった場合、原因が非常に分かりにくいのですが、いろいろ調べた結果、このパソコンの場合 "a disk read error occurred" の原因がHDDではなくマザーボードが経年劣化していたための障害でした。

3年でこういった状態になるのは少し早いように感じますが、最初に訪問した際、"購入してから今までずっと電源を入れっぱなしで使っていた"との話をされていたのを思い出して納得しました。

パソコンに限らず電気製品は通電している時間に応じて部品が劣化します。
こちらのパソコンは、例えば一日8時間電源を入れていたものと比べてその3倍程度、すなわち8〜9年間も使用しているのと同じという事になります。
つまり電源ユニットや光学ドライブなどマザーボード以外の部品も劣化が進んでいると思われるため、修理不能という結論となり、その旨をお客様にも伝え納得していただきました。
"ディスクの読み取りエラー"が表示されても必ずしもHDDの問題とは限らない という事を学んだ案件でした。

パソコン利用で注意すべき"もうひとつのトラブル"

パソコンを継続して使用している人なら、必ず何らかの"トラブル"を経験しているはずです。
パソコン自体が起動しないとか、ソフトウェアが正常に動作しないとか、誤操作でデータを削除してしまったとか、無線LANがつながらなくなったとか、現象はそれぞれかもしれませんが、とにかく様々なトラブルに見舞われるものです。
今回の話は、そういったパソコン本体や通信が原因ではない、"もうひとつのトラブル"についてです。

最近、何件かの相談がありました。
事例1:パスワードが分からない
詳細は以下の通り。
ある企業の経理部門で使われていたパソコンがあるが、長く専任で担当していた社員が不慮の事故で亡くなってしまった。
別の社員が操作しようと試みたが、パスワードを知りうるのが亡くなったその社員だけであり、起動する事ができない状況になっている。
パスワードを調べるか、それができなければ経理のデータを取り出して他のパソコンで処理できるようにしたい。

事例2:ウェブサイトの更新について
あるNPOで、その活動をウェブにて公開しているのだが、サイトの運営者が急病で入院してしまった。
パソコンの知識のある会員が他にいないため、サイトの運営を引き継ぐのが困難な状況となっている。

これらのトラブルはパソコン機器に由来するものではなく、利用する側の体制や運用方法に起因しています。
パソコンを利用するに際して重要な処理としてバックアップがあります。
データ(ファイル)はパソコン本体のハードディスクの中に磁気で記憶されています。
それは精密機器であり、半導体や小型のモーターなどの部品で構成されていて、一旦故障すると中のデータも消失してしまう事になりかねません。
それを回避するために、重要なデータファイルを別の装置にコピーして保管しておきます。
こうしておけば、よほど特殊な事情がない限り両方のデータを同時に失う事はないのである程度安心できます。
つまり、このバックアップという概念を、操作する"担当者"にも適用する事がパソコンをより安全に使う事につながります。

・企業や団体内で、経理や販売など基幹となる業務を一人で担当している。
・パソコンやルーター機器、レンタルサーバーなどの運用に必要なパスワードがその担当者しか把握していない。
こういった体制の場合、その担当者に、何か事故があった場合、その組織内でパソコンを使う事ができなくなってしまう事にもなりかねません。

人間ですからいつ何が起こるか分かりません。
必要なパスワードは記録しておき、その保管場所を複数の人間で共有するといった事が必要になるはずです。
まとめると、"データ" 及び "運用担当者" この両方のバックアップを確保する、これが重要です。
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