ITコンサルタント オフィスハピネス

1999年からIT・パソコン機器の技術支援事業を行っています。 2023年で創業から24年を迎えます。 これまで10,000件以上の案件に対応してきました。 群馬県、埼玉県、栃木県なら訪問でのサポートを、それ以外はオンラインや遠隔操作にて問題解決しています。

2011年12月

群馬県でパソコン技術支援を行っている業者です。

個人及び20人以下の規模の企業・法人様を対象としてサービスを提供しています。

コンピュータ機器の導入・入替作業・修理やトラブル解決などが得意です。。

連絡先

TEL 0270-24-6253

携帯 090-8490-5606

後閑克己

Youtubeで動画を公開しています。

阿部式せどり塾 続報

前回の記事でも書いた阿部式せどり塾。
購入者に対する教材(DVD32枚及びバーコードリーダー、書類など)の配送が12月20日から始まっているようだが、事前に動画で紹介していた通りの仕入ができないなど相当ひどい状況のようだ。
以下ネット上に掲載されている情報から取材しており、その真偽を保証するものではない事をお断りしておく。
もちろん私自身はこの阿部式せどり塾なる教材は購入していない。

・購入者に送られたバーコードリーダーには少なくとも2種類ある。
型番はKDC200とCM-500W3A。
しかも国内の代理店で購入すれば同梱されているはずのCDやマニュアル類が何も入っていないのでスマートフォンなど端末と接続できない購入者が続出している。
阿部氏はプロモーション動画の中で、自分はこの自社で特注したバーコードリーダーを使い、本のせどりだけで1,191万円を売り上げていると話しているが、自社のオリジナル製品であるならなぜ同じ型番の製品が市販されているのか?

・返金要請が続出している。
代金を支払ってから実際に商品が届くまで2ヶ月もあったが、教材が配られる直前のタイミング、すなわち購入者が投資した金額を回収するための活動を始める直前になってから次々とトラブルが発生し、販売者側の対応の悪さに不安になった購入者の間で返金要求が続出している。
それに対して販売者である株式会社アムゾー側は、電話にも出ないしメールの問合せにも対応しないという状況らしく、決済したクレジットカード会社を通じて返金依頼をしたところ、高額の手数料を支払う事で返金を認めるという対応をしてきた。
クレジットの2重課金も続出している。

・阿部氏が管理するアマゾンマーケットプレイスのアカウントに関して。
阿部氏が月1,191万円を売り上げているというアマゾンマーケットプレイスのアカウントには6,000件程度の評価しかなく、直近の1ヶ月では良い評価が92%となっている。
テストで92点なら優秀かもしれないが、ネット上で販売活動する際の92%というのは落第点といえる。
実際、私もマーケットプレイスで本を購入する機会は少なくないが、その際に利用する出品者は評価が10,000を超えている場合も少なくない。
この程度の評価で自称"せどり日本一"というのがすでに怪しい。

・"最大の売り"である書籍のデータベースが使えない。
この教材を購入した人たちが、その動機の原因となったであろう書籍のデータベースが現時点でまともに使えない。
塾が始まっても全く仕入に行く事ができない状態である。

バーコードを使ったせどりをしたいのなら、こんな高価な教材を購入しなくても、もっと初期投資が少なくて利用できる製品が他にいくらでもある。

ビジネスにおいて自分の経験のない分野に進出する場合、特に小資本であればあるほど実験的に小さく始めてみるという事が非常に重要になると思う。
初期投資を小さくする事でリスクを最小限に抑える事ができる。
顧客の反応を見ながら行けそうなら徐々に拡大していくというのが安全性を考えた本来の方法である。

その意味で私が使えそうと感じたのは、検索用のデータベースのみを利用できる権利を提供するもの。
独自でバーコードリーダーを用意すれば、そのDBに接続し、高値で売れそうな本を抽出できる。
毎月の課金なので少額で始められるし、"せどり"というスタイルのビジネスが自分に向かないと思えば撤退も簡単だ。

その上で、さらに大きな投資をするなら、その製品なりサービスを提供する側に十分な経験・実績があるかを見極めるのが重要になると私は思っている。
株式会社アムゾーは今年の7月に登記されているので、現時点で法人としての活動実績はほとんどないはずだ。
そんな企業がいきなり経験のない未知の分野に進出しようとしている段階で、円滑なサービスが提供されない可能性を考えるのは当然ではないだろうか。

この教材を購入してしまった人は気の毒ではあるし、高額な教材でありながらこんなずさんな対応をする側ももちろん問題なのだが、株式会社アムゾーなる会社の沿革や実績など詳しい検討や調査もせずに、これなら楽に稼げるだろうと安易にこの教材を購入してしまった側も落ち度があったと言われてもやむを得ないのではないだろうか。

阿部式せどり塾SSS

ずいぶんと久しぶりの記事になってしまいました。
この間システム開発の案件を進めながら、並行してパソコンサポートの依頼をこなしていました。
ここ数日、やっと少し落ち着いてきました。

さてそんな慌ただしい毎日を過ごしながらも、私はネット上で行われていた、ある"教材の販売"が気になっていました。
それを自分で買おうかという話ではありません。
その内容に対して、"ウサン臭さ" を強く感じたからです。
現在では販売を終了したようなので書いても構わないと思いますが、阿部式せどり塾SSS というのがその教材です。

"せどり"というのは、中古の書籍や音楽CD,映像DVDなどを古書店などから調達してきて、それをネットオークションなどで転売して利益を得るというスタイルのビジネスの事です。
阿部式せどり塾では、書籍だけを取り扱うというのが特徴で、古書店などで高く転売できる本をバーコードリーダーを使って素早く探し出せるというのが売りと宣伝されていました。

また阿部式せどり塾では仕入れた本をアマゾンで販売するのですが、その出品や発送作業に手間がかかるとの観点から、教材を購入した人は仕入れた本をそのままの状態で販売者である阿部氏が指定する場所へ送れば、出品や配送など一切を代行してくれるという事でした。

販売が開始された直後の時点で私も販売ページにアクセスしてみたのですが、画面の表示にかなり時間がかかる状態で、相当な人数が購入していたようでした。
ネット販売の経験が全くなければ、この教材に魅力を感じてしまうのは無理もないかもしれません。
しかしちょっと待って下さい。

せどりであろうがオークションであろうが、自分の名前で物品を販売するのであればそれはビジネスです。
ビジネスは利益を得られる可能性があるのと同時に責任やリスクが伴います。

アマゾンで書籍などを販売する場合、出品→入金確認→発送という3つの手順があり、さらに販売後に購入者からクレームが入ればその対応も発生します。
出品の際は商品が古本なら、その本の程度を自分で判断する必要があります。
帯があるかないか、書き込みがあるかないか、汚れやシミ、日焼けなどがあるかないかなどを確認しながら5段階評価をします。
古書店で仕入れた本は、どこにどんな書き込みがあるが分からないため、この出品前の検査を確実にしなければならず、ここで見落としがあれば販売後に購入者からのクレームにつながってしまいます。
その上で、その商品の価格をいくらにするかを他の人の価格を見て判断する・・・言ってみれば、この出品に関わる部分が"せどり" というビジネスの根幹です。

あるブログに、教材の販売者である阿部氏が運営する企業のアマゾンアカウントには低い評価が多数付けれており、それらの多くは出品時に表示した本の程度と実際の状態が異なるという内容のコメントが記載されている旨の記事が掲載されていました。

阿部氏は本のせどりだけで月間1,000万円以上を販売していると紹介していますが、こういった記事を読むと、販売の拡大を急ぐあまりビジネスを行う上で最も大切な"顧客満足"という部分がおろそかになっているのは誰の目にも明らかです。
そんな人に、自分のビジネスの根幹を丸投げしたらどんな結果になるかは想像に難くありません。

これ以外にも、疑問点は多数あります。
大手古書店であるブックオフでは、店内でバーコードリーダーなどの機器を利用して商品を選ぶ事を明確に禁止しています。
実際にバーコード部分に値札が貼られている本も多数あります。
販売の際、訪問者からのブログのコメントでそれらの対策を尋ねる質問が多数ありましたが、結局回答は得られていないのではないでしょうか?

また在庫管理はどうするのでしょうか?
アマゾンで古書やDVDを販売した事がある人なら分かるはずですが、一度出品すると時間の経過とともに相場がどんどん下がっていきます。
仕入値が高いと、売れても赤字になる事も多々あります。
相場が仕入を下回ってしまった場合でも、品物が手元にあればフリーマーケットやオークションなどで損切り換金する手段はありますが、その本が手元にない。
発送してもらおうにもそもそも応じてもらえるか分からないし送料もかかる、これって商売をする上で致命的です。
購入した人たちはそれらの疑問点は解決したのでしょうか?

老婆心ながら、今回、大金を払ってこの教材を購入した人たちが、その代金さえ回収できないまま終わってしまうような結果にならない事を願っています。
本人画像
twitter_widget
amazon
記事検索