LAN側IPアドレスが自動で割り振られないというトラブルに見舞われました。

お客様からノートPCの修理依頼を受けました。
OSはWINDOWS8で、ユーザーアカウントを選択する画面でパスワードを入力しても、そこから先に進まない状態でした。

今回の記事は修理内容がテーマではありませんので詳細は省略しますが、調査の結果HDDの障害である事が判明しました。
事前にリカバリーディスクが作られていなかった事もあり、取り外したHDDを別のPCにつなげてリカバリーUSBを作成するなどの結果、修理そのものは正常に終了しました。
問題はこの後に発生しました。
PC修理

WINDOWSが正常に起動した後はライセンス認証やWINDOWSアップデートなどの操作が必要です。
それを行うにはインターネットに接続する必要があります。
インターネットにつなぐといってもブロードバンドルーターですのでLANケーブルを端子に差し込むだけで目的を達成できるはずです。
ケーブルを挿入して、さてまずはWindowsのライセンス認証だ と勇んでその画面を開こうとしたものの、画面右下タスクトレイ上のネットワーク表示に黄色の警告マークが付いた状態でした。

マウスをポイントすると、インターネット接続なし という吹き出しのメッセージ。
あれ、おかしいぞ。
IPアドレスを調べてみると169.254で始まる値になっています。
これはルーターのIP自動割当機能が動作していない時に起こる現象です。

プロバイダーの接続情報が設定されているブロードバンドルーターとパソコンのLAN端子をケーブルで接続してもネット接続できない場合、原因は様々考えられますが、私の経験上代表的なものはパソコン側のTCP/IPが手動設定になっているか、またはケーブルや端子の物理的な故障の2つです。
しかしリカバリー直後なのでTCP/IPの設定は自動取得になっているはずだし、このパソコン自体は購入して2年程度しか使われていないのでネットワーク関係の部品が劣化しているとも思えませんので今回の事例ではいずれも当てはまりません。

それ以外に料金未払でプロバイダーが接続を一時的に停止していたり、またはルーターが過熱して正常に機能していないなどの事例も実際に経験していますが、今回の場合は同じルーターと別のパソコンを接続していて、そちらは自動でIPアドレスが割り振られています。
同じルーターに接続されている無線親機と接続してみても結果は同じ。

私はこの時点でつながらない原因が全く分かりませんでした。
念のため、IPアドレスを手動で設定してみたところ、何と正常に接続できます。
これらの現象を分析すれば、ルーターのDHCP機能が正常に動作していないのが原因であるという結論になるはずです。
しかし、既出の通り同じルーターに接続している他のパソコンは正常に動作しています。

私はメーカーの技術サポートに問い合わせました。
上記の状況を伝えると、やはり担当者の回答はルーターが原因ではないかという事でした。
私はその回答には納得できなかったのですが、これ以上原因を特定する手段がなかったので、それが原因であると仮定して、手動で接続してWindowsアップデートなど必要な操作を完了して修理が終わったパソコンをお客様に渡しました。

そして、やはりそのお客様の環境ではIPアドレスの自動取得が問題なく動作しているようです。
パソコンって理屈では説明できない不思議な動作をするんだな という事を改めて思い知らされた一件でした。