前回の記事でも書いた阿部式せどり塾。
購入者に対する教材(DVD32枚及びバーコードリーダー、書類など)の配送が12月20日から始まっているようだが、事前に動画で紹介していた通りの仕入ができないなど相当ひどい状況のようだ。
以下ネット上に掲載されている情報から取材しており、その真偽を保証するものではない事をお断りしておく。
もちろん私自身はこの阿部式せどり塾なる教材は購入していない。

・購入者に送られたバーコードリーダーには少なくとも2種類ある。
型番はKDC200とCM-500W3A。
しかも国内の代理店で購入すれば同梱されているはずのCDやマニュアル類が何も入っていないのでスマートフォンなど端末と接続できない購入者が続出している。
阿部氏はプロモーション動画の中で、自分はこの自社で特注したバーコードリーダーを使い、本のせどりだけで1,191万円を売り上げていると話しているが、自社のオリジナル製品であるならなぜ同じ型番の製品が市販されているのか?

・返金要請が続出している。
代金を支払ってから実際に商品が届くまで2ヶ月もあったが、教材が配られる直前のタイミング、すなわち購入者が投資した金額を回収するための活動を始める直前になってから次々とトラブルが発生し、販売者側の対応の悪さに不安になった購入者の間で返金要求が続出している。
それに対して販売者である株式会社アムゾー側は、電話にも出ないしメールの問合せにも対応しないという状況らしく、決済したクレジットカード会社を通じて返金依頼をしたところ、高額の手数料を支払う事で返金を認めるという対応をしてきた。
クレジットの2重課金も続出している。

・阿部氏が管理するアマゾンマーケットプレイスのアカウントに関して。
阿部氏が月1,191万円を売り上げているというアマゾンマーケットプレイスのアカウントには6,000件程度の評価しかなく、直近の1ヶ月では良い評価が92%となっている。
テストで92点なら優秀かもしれないが、ネット上で販売活動する際の92%というのは落第点といえる。
実際、私もマーケットプレイスで本を購入する機会は少なくないが、その際に利用する出品者は評価が10,000を超えている場合も少なくない。
この程度の評価で自称"せどり日本一"というのがすでに怪しい。

・"最大の売り"である書籍のデータベースが使えない。
この教材を購入した人たちが、その動機の原因となったであろう書籍のデータベースが現時点でまともに使えない。
塾が始まっても全く仕入に行く事ができない状態である。

バーコードを使ったせどりをしたいのなら、こんな高価な教材を購入しなくても、もっと初期投資が少なくて利用できる製品が他にいくらでもある。

ビジネスにおいて自分の経験のない分野に進出する場合、特に小資本であればあるほど実験的に小さく始めてみるという事が非常に重要になると思う。
初期投資を小さくする事でリスクを最小限に抑える事ができる。
顧客の反応を見ながら行けそうなら徐々に拡大していくというのが安全性を考えた本来の方法である。

その意味で私が使えそうと感じたのは、検索用のデータベースのみを利用できる権利を提供するもの。
独自でバーコードリーダーを用意すれば、そのDBに接続し、高値で売れそうな本を抽出できる。
毎月の課金なので少額で始められるし、"せどり"というスタイルのビジネスが自分に向かないと思えば撤退も簡単だ。

その上で、さらに大きな投資をするなら、その製品なりサービスを提供する側に十分な経験・実績があるかを見極めるのが重要になると私は思っている。
株式会社アムゾーは今年の7月に登記されているので、現時点で法人としての活動実績はほとんどないはずだ。
そんな企業がいきなり経験のない未知の分野に進出しようとしている段階で、円滑なサービスが提供されない可能性を考えるのは当然ではないだろうか。

この教材を購入してしまった人は気の毒ではあるし、高額な教材でありながらこんなずさんな対応をする側ももちろん問題なのだが、株式会社アムゾーなる会社の沿革や実績など詳しい検討や調査もせずに、これなら楽に稼げるだろうと安易にこの教材を購入してしまった側も落ち度があったと言われてもやむを得ないのではないだろうか。