今朝のニュースによると、YouTubeに流出した尖閣諸島沖での中国漁船衝突事故の映像は神戸の漫画喫茶から投稿されたらしい。

他のニュース番組などでも報道されているように、現在のインターネットのしくみを考えるとアクセスされたIPアドレスがサーバーの通信記録に残るために、それを調べればどこから接続されたのかまでは追跡できる。

接続方法にもよるが、IPアドレスはパソコン1台1台に割り当てられるのではなくルーター毎に割り当てられるので、今回の漫画喫茶に設置されているルーターが1台なら、店内のどこパソコンからアクセスしてもすべて同じIPとなる。
なのでどのPCを使って投稿されたかまでは追跡できない。

今回の事件が海保の職員の誰かによって行われたと仮定すれば、自分を特定されたくないはずであり、そのためにネットカフェなどを利用して拠点を特定されないようにしたのは当然だろう。
ただあのような場所は防犯カメラもあり、また利用者に会員登録を求めている店も多く、完全に身元を伏せるのは難しい。

実はネットカフェなどを利用せず、身元を完全に隠して動画や記事を投稿する方法があるのだ。
それは暗号化されていない無線LANを利用するという方法だ。

無線LAN機器も価格が急激に下がり、一般家庭に幅広く普及した。
集合住宅が多く建っているような場所で電波を拾ってみると、高速でアクセスできる強さの電波が5本も6本も出ている場合も少なくない。
そしてWINDOWS XP以降無線接続が容易になったため、深く考えずに暗号化設定しないでこれを利用している家庭も珍しくない。

そういった電波を利用、つまり他人が契約しているプロバイダに"タダ乗り"してしまえばいいのだ。
この場合、アクセスされたサーバーには、その無線LANを使用している家庭のIPアドレスが記録される。
つまり本人に何の認識もないまま、自分の資源が犯罪に利用されてしまうという事になる。

暗号化されていない電波を利用してインターネットにアクセスするのは違法だと思われるが、やろうと思えば簡単にできてしまうし、このリスク自体があまり知られていない。

という事で無線LANを使うなら暗号化を忘れずに。