このところ個人も企業も過去と同じ過ちを繰り返している例があまりに多い。
企業の不祥事で言えばミートホープや渋谷の温泉施設シエスパがその代表的な例だ。

どうせ外部の人にはわからないだろうと表示せずに見えない所で粗悪な原材料を使ったり、あるいは経費を抑えるために本来必要なガス検知器などの設備を省略してしまう。

両者とも自己破産したり死者を出した上での廃業という最悪の結果になったのはご承知の通りだ。

このような事件が報道されるたびに思うのだが、こういった事を主導した人たちは、過去に起こった同じような事件、例えば肉の産地偽装や賞味期限の偽装、あるいは整備不良による遊園地での死亡事故など、他の人が失敗し、それを自社の経営に生かせる事例を多く見てきているはずであるにも関わらず、それらから何も学んで来なかったのだろうか?

ミートホープの例でいうなら、同じ北海道の企業である雪印が賞味期限の切れた原材料を不正に再利用した事でどのような結果になったか間近で見てきているはずだ。
にも関わらず、全く同じ過ちを繰り返している。

不正な手段を使ってまで経費を削減して利益を出す事は、それほどまでに刺激の強いものなのだろう。

何の業界でもこういった"不正な経費削減" の誘惑はあるはずだ。
ビジネスの成功とは、言ってみればそういった誘惑に打ち勝ったものだけが手にできるものであると言えるだろう。

一方、個人レベルで同じ過ちを繰り返しているといえば赤城農水大臣だ。
不正な経理はないと言いながらそれを証明する書類は出せないという。
資金の使途が説明できずに自殺した松岡前農水大臣とまったく同じ対応だ。
この人は果たして前大臣が置かれた立場や自分が後任の大臣に就任した経緯などを理解しているのだろうか?

こういう人物を平気で擁護する安部総理では日本の未来は暗い。

このような人物が与党のトップに座り続ける限り明るい未来は期待できず、この状態の継続を阻止できなければ政界引退を表明している小沢民主党代表の気持ちも十分理解できる。