2015年の暮れから2016年の新年にかけて、数件のお客様からデータ消失のトラブルに関する依頼をいただきました。
内容は、数年分の得意先関連資料、すなわち物件の写真、見積書、工事資料や画像など数十ギガバイト分のファイルが保存された外付ハードディスクが読み取れなくなったというものや、業務で使用しているパソコンが起動しなくなってしまったが、必要なデータが保存されているので修理してデータを取り出して欲しいといったものです。

パソコンの主記憶装置であるハードディスクは、回転する磁性体ディスクに情報を記録するしくみになっていますが、非常に精密な機器であるため壊れやすく、また回転する部品や電子的な部品を含んでいるため通電している時間に応じて劣化していくものです。
つまり、将来的には間違いなく機器が故障してデータが消失します。
現在の技術では、何年使っても絶対に故障しないハードディスクを生産する方法は確立されていません。

ですので、ハードディスクドライブ(HDD)は必ず故障するという前提でパソコンを運用する必要があります。
それにはバックアップを実施する事、これしかありません。
バックアップとは、パソコン内蔵のHDDに記録されている失いたくないデータをあらかじめ別のメディア、すなわちDVDや外付HDD、NAS(ネットワークHDD)などにコピーしておく事を指します。

どのように計算するのかは知りませんが、情報処理の常識として別々のメディアに記録されているデータが同じタイミングで消失するという事はほぼ起こりえないほど低い確率だとされています。
ただし、火事とか巨大地震、津波などによる被害はこの限りではありませんので、そういった事態まで考慮するならインターネットを利用したオンラインストレージにも保存する事をお勧めします。

パソコンを買い替える事はできても、データはそうは行きませんので、必要なデータは必ずバックアップを取るという事を意識してください。